米の日本人研究者
眠りを制御する遺伝子を発見
睡眠を制御する遺伝子を発見した、と米テキサス大の柳沢正史教授らが5日、発表した。睡眠や目覚めのリズムをつかさどる体内時計に関する遺伝子はこれまでも見つかっていたが、眠りを直接制御する遺伝子の発見は初めて。
眠気に耐えられず突然、深い眠りに落ちる病気のナルコレプシー(眠りの発作)は、同遺伝子の異常が原因で起きると考えられるなど今後、睡眠の遺伝子レベルでの解明が進みそうだ。
見つかったのは、オレキシンと名付けられた脳内神経伝達物質の遺伝子。オレキシンをマウスに与えると、エサを多く食べるようになることから、同教授らは昨年、食欲遺伝子と発表していた。
同教授らは、オレキシンの作用をさらに調べるため、同遺伝子の働きをなくしたマウスを遺伝子操作の手法でつくり、行動を観察した。すると、エサを食べたり毛づくろいをしていたマウスが突然動きを止めて、1〜2分間死んだように眠ってしまう発作を起こすことが判明した。
マウスの脳波を調べると、ナルコレプシーの患者と同様、目が覚めた状態から突然、夢を見る状態であるレム睡眠に移行することから、この病気はオレキシンの遺伝子の異常が原因であることが分かった。
同遺伝子は人間にもあり柳沢教授は「健康な人の脳内では昼夜のリズムなどに応じて作用し、睡眠を制御しているとみられる」と話している。
1999.8.7 秋田魁新報(ワシントン5日共同)
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